猫猫置き場

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とある学生たちの放課後編

猫猫事件帖 とある学生たちの放課後編 最終話

別荘に着いて、明乃と彰はすぐに残りのメンバーと別れることになった。 裏口から屋根に登り、二階から侵入することにしたのだ。深海たちは、今頃正面玄関の近くで隠れていることだろう。万が一明乃たちが見つかったら、時間を稼ぐ算段らしい。 「あの、えっ…

猫猫事件帖 とある学生たちの放課後編 その参

「動くな、人質がどうなってもいいのかー」 「きゃー!動かないでー!殺されちゃうー!」 目だし帽を被った深海は棒読みながら、できるだけ大きい声を出した。その腕の中で包丁を突きつけられている彰はどこか楽しそうだ。 「全員動くな!人質をとられている…

猫猫事件帖 とある学生たちの放課後編 その弐

「えっと、お知り合いなんですか?」「従兄だ」「まさかの親戚!?」「本当の話だよ」「世間は狭いですなあ!!」 はっはっはと大きく口を開けて笑いながら、木野宮は驚いている様子もなかった。 明乃は驚きを隠せずにいるが、特に疑うわけでもなく二人の顔…

猫猫事件帖 とある学生たちの放課後編 壱

「大丈夫かなあ……」 明乃は溜息まじりに呟いた。久しく感じていなかった緊張感。それ読み取った隣に立つ少女は、悪戯に笑いかけて口を開く。「意外。もっと自信家なのかと思ってた。不安?」「そんなことないもん」 少しムッとしながら、明乃は隣で堂々と佇…